古物商が必ず知っておくべき防犯三大義務
古物取引を行う場合には、盗品の流通防止や被害の迅速な回復を目的として、法律で定められた複数の義務を遵守する必要があります。
特に次の防犯義務は古物商に課された重要な三本柱といえます。
古物商の防犯三大義務
1相手方の確認義務(本人確認)
2帳簿等への記載義務
3不正品の申告義務
① 相手方の確認義務(本人確認)
一度の取引が1万円超の古物取引を行う際には、相手方の真偽を確認しなければなりません。
また、古物品の中には、換金目的の盗難が多いため、金額にかかわらず本人確認が必要となる例外品もあります。
なぜ相手方の真偽確認が必要なのでしょうか?
盗品等の流通を防止し、犯罪の捜査に役立てるためです。取引相手の本人確認によって盗品を持ち込んだ者や不正な取引を行った者を特定しやすくなり、盗品等の発見や被害回復につながります。
原則
⊙1度の取引が1万円超のすべての古物取引
例外品
⊙書籍(漫画・雑誌を含む)
⊙CDDVDBlu-ray Disc
⊙ゲームソフト
⊙オートバイオートバイ部品原動機付自転車
⊙エアコンの室外機
⊙給湯器のヒートポンプ
⊙電線類(銅線等)
⊙金属製グレーチング
これらの例外品については、売買価格が1万円未満の取引であっても本人確認義務が生じます。
表中のエアコンの室外機電気温水器期のヒートポンプ電線金属製のグレーチングは令和7年10月1日より新たに追加されました。
本人確認の方法:
本人確認は、次のいずれかの方法で行う必要があります。
⊙運転免許証などの身分証明書の提示を受ける
⊙住所・氏名・職業・年齢を自書した文書の提出を受ける
⊙電子署名付きメール等を受領する
⊙国家公安委員会規則で定めるその他の方法
非対面取引(インターネット取引・宅配買取等)の場合は、法律で定められた特別な確認方法を用いる必要があります。詳細な確認方法については、 警視庁の案内ページをご確認ください。
未成年者からの買取制限について:
また、1万円未満の取引であっても、青少年からの買取については別途確認が必要です。
古物営業法では年齢確認が義務付けられており、さらに各都道府県の青少年育成条例や民法の規定により、未成年者からの買取は制限される場合があります。
詳細については、こども家庭庁の情報や各都道府県の条例を確認することが重要です。
↓意外と見過ごされやすいポイントです。
② 帳簿等への記載義務
古物商は、取引を行った際に
帳簿 または
電磁的方法
により下記事項を記録し、
3年間保存しなければなりません。
⊙取引年月日
⊙古物の品目・数量
⊙古物の特徴(メーカー・型番など)
⊙取引相手の住所・氏名・職業・年齢
⊙本人確認の方法(確認措置の区分)
また、盗品防止の観点から、全ての取引を記録しておくことが望ましいとされています。
③ 不正品の申告義務
取引した古物について盗品や遺失物の疑いがある場合には、直ちに警察へ申告しなければなりません。
例えば、次の場合などは注意が必要です。
⊙シリアル番号が削られている
⊙所有者を説明できない
⊙相場とかけ離れた安値で持ち込まれる
なお、不申告そのものに対する直接的な罰則は設けられておりませんが、営業停止等の行政処分の対象となる可能性があります。
↓こちらの記事もぜひご参考ください。
まとめ
古物営業法で定められた防犯三大義務は、盗品流通の防止と被害品の迅速な回復を目的とした重要な制度です。
あらためて整理すると、古物商には次の3大防犯義務があります。
1相手方の確認義務(本人確認)
2帳簿等への記載義務
3不正品の申告義務
特に①本人確認と②取引記録の保存は、日常業務の中で最も頻繁に行う重要な業務です。
法令違反は営業停止などの行政処分につながるリスクもあるため、正しい知識を身につけ、適切な運営を心掛けましょう。
2026年6月19日

